日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

私の放課後はまず隆火さんの基地を探すことに決まった。


帰りのSHRが終わり次第、まとめていた荷物を持って教室を出る。そして素早く校舎裏に出る。


靴を履き替え校舎裏に接近しながら様子を眺める。隆火さんの姿は見えない。前いた椅子には誰も座っておらず、ヤンキーのグループがいくつかたむろしている。


まだ来ていないだけ? もしかしてここじゃない?

どうすべきか見当がつかないまま、立って待ち時間を過ごす。


今に隆火さんの声や気配がしないかと耳を研ぎ澄ませていた。


「あれが傘下に入るっていう女子?」


するとどこからかそんな声が聞こえてきた。この高校に女子は少ない、これは私のことだろう。


「何してんの〜?」


二階の窓から同じ一年の男子に声をかけられた。


「えっと、隆火さんを探していて……」


「隆火はまだ来ないよ。基地はこの部屋だし、ここで待てばいいよ」


助かった! 一年の言葉に助けられ、基地の場所が判明した。
校舎内に戻ると、外側から見た位置を想起して、何とか基地に辿り着くことが出来た。基地と呼ばれている教室には活動室という名称があり、ドアを開けると二人の男子が待っていた。