「泣いてないし、これ以上近づかないで」
そんな見え透いた嘘言わなくていいのに、
でもそれ以上にグサッってきた
『近づかないで』
そんなんムリだろ、
好きな女に近づかないで平気な男がいるかよ
っていうか、涙拭ってやりたいんだけど
泣き顔もかわいいけど、やっぱ笑ってるほうがいいよ
とてつもないくらい抱きしめたい衝動が走る
…ほんとに近づいちゃだめなの?
うん、いいよね
ギュッ
「!?!?」
息を呑む音がした
周りには誰もいない
さらに強く抱きしめる
「…える、さん、
俺はさ、えるさんのこと好きだよ
なのにさ『近づくな』は拷問だよね…」
「ほんとーはずっとずっとこうしたかった、
でもなんか避けられるし?
卒業式に好きって言うつもりだったのにさ、卒業式も来なかったし?
キスだってそれ以上のことだってえるさんとやりたいんだよ」
「だから俺を選んで」
