「…千世」 急な名前呼びに驚いて黒月くんの方を見る。 月明かりに照らされて、黒月くんがだんだん近づいてくるのが分かる。 大きな左手が私の顔に添えられて、細長い指が私の頬を撫でる。 思わず、瑠璃色の瞳をじっと見つめる。 「…目、瞑れ」 ぎゅっと目をつむる。 ほんの一瞬、唇が重なった。 唇が離れた瞬間、部屋の電気がつく。 「……お、お邪魔しました!」