「ゲホッ…ゲホ…」 柱に手首を縛られた黒月くんが大勢のヤンキーに囲まれて殴られている。 「天下無敵の名をここで終わらせてやるよ!」 「あ?お前らみてえな卑怯な奴らになんか負けねえよ」 「あんだと?!」 「黒月くん…!!」 思わず大声で叫んだ。 その場にいる全員が私の方を見る。 「来んじゃねえ、小波…」 口の端から血を流し、険しい顔をした黒月くんが私を睨んでいる。