不器用さんと恋に落ちる。




「ま、待って…!…何で私のこと避けてるの?」



息を切らしながら学ランの裾をつかむ。



「…俺と一緒にいるとまた誰かに悪く言われんだろ。小波に悲しんでほしくねーんだよ」



…なに、それ……



「私は…、私は黒月くんと一緒にいたいよ。…………………好きに、なっちゃったから」



黒月くんの目が見れない。

きっと今の私の顔は、ゆでだこみたいに真っ赤になってると思う。

恐る恐る顔を上げると、黒月くんが目を見開いている。



「…俺で、いいのか?」

「違うよ、黒月くん“が”いい」

「…………俺も、小波が好きだ」