「…い、いる!ここにいる!」 必死で居場所を伝える。 「動くなよ、俺がそっちに行く」 頼もしい言葉が聞こえた数秒後、黒月くんが私の方に向かってくるのが見えた。 安心して力が抜けてへなへなと座り込む。 「大丈夫か?怪我してないか?」 走ってきた黒月くんがしゃがんで目線を合わせてくれる。 「うん、平気」 「立てるか?」 黒月くんが手を差し伸べてくれた。