『いちゃいちゃ……それ、トレたち手伝える? たぶん無理』
『どう考えても無理じゃろう。あやつらときたら二人そろってうぶじゃから、うかつに口を挟めば余計にぎこちなくなるだけじゃと思うがの』
『おまえたちもそう思うか。だからおれなりに、考えてみたんだが……』
ネージュの考えはこうだった。
初めてこのテラスでくつろいだ時、彼の毛に埋もれて話していた二人は、間違いなくいちゃいちゃしていた。つまりあの二人に足りないのは、二人っきりの時間なのだと。
『だから、理由をつけてあいつらを二人っきりにする。おれたち幻獣全員と、使用人も全部この屋敷から出すんだ』
『幻獣はいい。でも使用人をこっそり出すの、難しいかも?』
『大丈夫だ、協力者がいる。実は、使用人たちについては既に手を打ってある』
『やれやれ、手際のよいことじゃのう』
スリジエが目を細めて天を仰ぐ。トレもあきれたように笑った。
『ならば、後はわらわたちが外出するだけか。しかし、二人が仲を深める現場を見られぬのが、少々もどかしいがの』
『スリジエ、あきらめて。二人のため』
『こっそり飛んで戻って、姿を消して見物しようなんて思うなよ。もし気づかれたら、あいつらはさらに警戒するからな』
『ちっ、ばれておったか。仕方ない、おとなしく言うことを聞くとするかのう』
口惜しげに首を振るスリジエを見つめながら、ネージュとトレは大きくうなずいた。
『よし、それじゃさっそく取り掛かるとするか。まずは幻獣を全員集めよう』
弾んだ足取りで、三人は屋敷に向かって歩き出す。みな、おかしそうな笑みを浮かべていた。
『どう考えても無理じゃろう。あやつらときたら二人そろってうぶじゃから、うかつに口を挟めば余計にぎこちなくなるだけじゃと思うがの』
『おまえたちもそう思うか。だからおれなりに、考えてみたんだが……』
ネージュの考えはこうだった。
初めてこのテラスでくつろいだ時、彼の毛に埋もれて話していた二人は、間違いなくいちゃいちゃしていた。つまりあの二人に足りないのは、二人っきりの時間なのだと。
『だから、理由をつけてあいつらを二人っきりにする。おれたち幻獣全員と、使用人も全部この屋敷から出すんだ』
『幻獣はいい。でも使用人をこっそり出すの、難しいかも?』
『大丈夫だ、協力者がいる。実は、使用人たちについては既に手を打ってある』
『やれやれ、手際のよいことじゃのう』
スリジエが目を細めて天を仰ぐ。トレもあきれたように笑った。
『ならば、後はわらわたちが外出するだけか。しかし、二人が仲を深める現場を見られぬのが、少々もどかしいがの』
『スリジエ、あきらめて。二人のため』
『こっそり飛んで戻って、姿を消して見物しようなんて思うなよ。もし気づかれたら、あいつらはさらに警戒するからな』
『ちっ、ばれておったか。仕方ない、おとなしく言うことを聞くとするかのう』
口惜しげに首を振るスリジエを見つめながら、ネージュとトレは大きくうなずいた。
『よし、それじゃさっそく取り掛かるとするか。まずは幻獣を全員集めよう』
弾んだ足取りで、三人は屋敷に向かって歩き出す。みな、おかしそうな笑みを浮かべていた。

