不器用なわたしたちの恋の糸、結んでくれたのは不思議なもふもふたちでした

 それからは、毎日が忙しくなった。まずは陛下に相談して、王宮お抱えの職人を紹介してもらった。

 そしてどういった建物にするのか、どこに建てるのかを、職人たちと話し合う。もちろん、ネージュさんたちの意見も取り入れて。

 案がまとまったら、いよいよ職人たちが作業に取り掛かる。

 屋敷の横手の草原にたくさんの石材や木材が集められた。職人たちは地面をならし、石材を並べていく。とても手際が良くて、見ていて飽きない。

 そう思っていたのは、どうやらわたしだけではなかったようだった。

 幻獣たちも身を隠して、離れが少しずつできあがっていくのをこっそりと眺めるようになっていた。屋敷の陰から、屋根の上から、土の中から。

 わたしとヴィンセント様は、職人たちの邪魔をしないように幻獣たちにしっかりと言い聞かせ、さらに毎日現場をこまめに見張ることにした。

「今日は、何事もなく終わりそうですね」

 どんどん形ができていく離れと、その周りで忙しく立ち働いている職人たちを遠巻きに眺めながら、小声でつぶやく。

「ああ。ネージュたちはともかく、新入りたちは人間が珍しいのか、ついいたずらをしがちだからな」

「……昨日は危なかったですね」

「まさか、大工道具をくすねるとは……無事に見つかったからいいようなものの」

「お化けが出た、って騒がれちゃって、ごまかすのが大変でした」

 そんなことを話しながらも、わたしたちは二人とも笑っていた。昨日、大工道具に興味を持った子たちが、こっそり道具を持ち出して遊んでいたのだ。

 そこを職人たちに見つかってしまい、大騒ぎになりかけた。やはりここには、何かいるんだ、って。

 わたしたちの屋敷にはお化け屋敷というあだ名がついている、そんな噂のことを、わたしもヴィンセント様もきれいに忘れてしまっていたのだ。

 結局、人を眠らせる力を持つ子にお願いして、職人たちを三十分ほど眠らせてもらった。

 その間に道具を元の場所に戻し、幻獣たちを全員屋敷の裏の森に移動させた。そうして目覚めた職人たちに、「夢でも見たんじゃないですか?」としらを切ったのだ。

 職人たちは気味が悪かったのか、さらに大急ぎで作業を続けていた。一心不乱に、わき目もふらず。