「私は祐樹が選んだ人だからあなたを信じてる。あなたも祐樹が好きなら信じてあげてね」
「……はい」
「おうちのブランド抹茶はその筋ではとても有名ないいお茶らしいわね」
「え?」
莉愛は驚いた。
「私の知り合いにお茶をやっている人がいてね、本山茶舗の『燻抹茶』は有名だと教えてくれたの。それで少し取り寄せたらとてもいい香りでびっくりしたわ」
奥様がサイドボードを開けて、莉愛の見慣れた缶をテーブルに置いた。莉愛は奥様に言った。
「ありがとうございます。お好きだと知っていればもっとたくさん持ってまいりました。後ほどまとめて少しお届けします」
莉愛がそう言うと、忘れていた祐樹が莉愛の父から預けられた包みを出した。
「まあ、こんなに色々あるのね。嬉しいわ。ありがとう。美味しかったら定期購入させてもらおうかしら。本当にいい香りなのよ。実は祐樹の亡くなった母である私の妹もお茶が好きでね、おうちで抹茶を立てていたわ。行くと香りがしてね。とても懐かしいわ」
莉愛はびっくりして祐樹の横顔を見た。懐かしい香りと言ったのはそのせい?もしかして莉愛を選んだのは……。祐樹は莉愛の曇った顔色を見て、莉愛の膝のうえにある彼女の手に自分の手を重ねぎゅっと握った。
「莉愛、誤解するなよ。母の思い出がなくても君を選んだ。最初に満員電車で僕を見つけて助けたのは君だろ」
「助けた?会社で出会ったんじゃなかったのか?」
祐樹が最初の出会いを恥ずかしそうに説明した。
「その時から莉愛とはこうなると思った。直感でした」
「もう、また直感……祐樹は小さい頃からそんなことばかり言って……直感なんて言われたって困るわよね、莉愛さん」
「……はい」
「おうちのブランド抹茶はその筋ではとても有名ないいお茶らしいわね」
「え?」
莉愛は驚いた。
「私の知り合いにお茶をやっている人がいてね、本山茶舗の『燻抹茶』は有名だと教えてくれたの。それで少し取り寄せたらとてもいい香りでびっくりしたわ」
奥様がサイドボードを開けて、莉愛の見慣れた缶をテーブルに置いた。莉愛は奥様に言った。
「ありがとうございます。お好きだと知っていればもっとたくさん持ってまいりました。後ほどまとめて少しお届けします」
莉愛がそう言うと、忘れていた祐樹が莉愛の父から預けられた包みを出した。
「まあ、こんなに色々あるのね。嬉しいわ。ありがとう。美味しかったら定期購入させてもらおうかしら。本当にいい香りなのよ。実は祐樹の亡くなった母である私の妹もお茶が好きでね、おうちで抹茶を立てていたわ。行くと香りがしてね。とても懐かしいわ」
莉愛はびっくりして祐樹の横顔を見た。懐かしい香りと言ったのはそのせい?もしかして莉愛を選んだのは……。祐樹は莉愛の曇った顔色を見て、莉愛の膝のうえにある彼女の手に自分の手を重ねぎゅっと握った。
「莉愛、誤解するなよ。母の思い出がなくても君を選んだ。最初に満員電車で僕を見つけて助けたのは君だろ」
「助けた?会社で出会ったんじゃなかったのか?」
祐樹が最初の出会いを恥ずかしそうに説明した。
「その時から莉愛とはこうなると思った。直感でした」
「もう、また直感……祐樹は小さい頃からそんなことばかり言って……直感なんて言われたって困るわよね、莉愛さん」



