「……はい」
「それとね。本山さん、君がどんな人なのかを知るため、とりあえず千堂製菓にいたときの仕事ぶりについて上司へ問い合わせさせてもらった。祐樹が色恋に目がくらんで見るべきものを見落としていると困るのでね。祐樹からお付き合いをしている女性について聞いたこともなかったので、余計心配だったんだ」
「わかります」
「本山さん、あなたの評価はとても高かった。契約社員にしておくのはもったいないと上司は言っていたよ。人柄もいいと言っていた。正社員にできなかったのを残念がっていたよ」
「そうなんですか?私もとてもよくしていただいて楽しかったです。辞めたくはなかったんですが、このままいても正社員になれないし、父から家の方へ戻れと言われて、今が潮時だと思ったんです」
「でも、祐樹が働きかけて正社員になったから千堂製菓に戻るんだろう?」
「はい」
「聞いているかわからないが、祐樹は今後半年をめどにうちへ入る。君も入ってお茶の素人である祐樹を助けてもらえないだろうか?君のお茶の知識を総動員して欲しいんだ」
莉愛は家のこともあり、断れないとすぐに思った。祐樹は莉愛を見てうなずいた。
「わかりました。その時はご期待に応えられるよう、私のお茶の知識を総動員してお手伝いします」
「ありがとう。ただ、海外取引のことは素人のようだから、少し千堂の祐樹のいる部署で勉強してきてほしい。うちは商社なんでね」
「はい、あ、頑張ります……」
祐樹はほっとしたのか、横で息を吐いた。
「祐樹は本格稼働までに新しい部署を作るからうちへ来て会議に参加しなさい。千堂の社長には言ってある。自分の責任でやるといったからには養子だからと手加減はいっさいしない。今季からマイナスにするようなら容赦なく処断するぞ」
祐樹は社長である父親をまっすぐ見ると答えた。
「わかりました。好きなようにしてください。莉愛との結婚は公にするのはまだ難しいとしても、入籍だけ先にさせてください」
「それとね。本山さん、君がどんな人なのかを知るため、とりあえず千堂製菓にいたときの仕事ぶりについて上司へ問い合わせさせてもらった。祐樹が色恋に目がくらんで見るべきものを見落としていると困るのでね。祐樹からお付き合いをしている女性について聞いたこともなかったので、余計心配だったんだ」
「わかります」
「本山さん、あなたの評価はとても高かった。契約社員にしておくのはもったいないと上司は言っていたよ。人柄もいいと言っていた。正社員にできなかったのを残念がっていたよ」
「そうなんですか?私もとてもよくしていただいて楽しかったです。辞めたくはなかったんですが、このままいても正社員になれないし、父から家の方へ戻れと言われて、今が潮時だと思ったんです」
「でも、祐樹が働きかけて正社員になったから千堂製菓に戻るんだろう?」
「はい」
「聞いているかわからないが、祐樹は今後半年をめどにうちへ入る。君も入ってお茶の素人である祐樹を助けてもらえないだろうか?君のお茶の知識を総動員して欲しいんだ」
莉愛は家のこともあり、断れないとすぐに思った。祐樹は莉愛を見てうなずいた。
「わかりました。その時はご期待に応えられるよう、私のお茶の知識を総動員してお手伝いします」
「ありがとう。ただ、海外取引のことは素人のようだから、少し千堂の祐樹のいる部署で勉強してきてほしい。うちは商社なんでね」
「はい、あ、頑張ります……」
祐樹はほっとしたのか、横で息を吐いた。
「祐樹は本格稼働までに新しい部署を作るからうちへ来て会議に参加しなさい。千堂の社長には言ってある。自分の責任でやるといったからには養子だからと手加減はいっさいしない。今季からマイナスにするようなら容赦なく処断するぞ」
祐樹は社長である父親をまっすぐ見ると答えた。
「わかりました。好きなようにしてください。莉愛との結婚は公にするのはまだ難しいとしても、入籍だけ先にさせてください」



