莉愛は想像通りだったと思った。そのせいか冷静に対処できた。
「……お気持ちは想像できます。私が逆の立場でもそう思うと思います」
「そうだろう。あげくに、付き合ってもいないのに、突然結婚したいと言い出した。親としても、サエキ商事の社長としても、君を警戒する気持ちは間違っていないだろう?」
「お父さん、あんまりだ。今の言葉は初対面の莉愛に対してかける言葉じゃない」
「祐樹の覚悟は十分聞いた。黙っていなさい。彼女と話してみたいんだ。本山さん、いいかな」
莉愛はうなずいた。
「はい」
「祐樹は君を花邑茶舗の御曹司との縁談から救い出すために、業績の悪いお茶問屋を二社うちに押し付けた。今更放り出すわけにもいかない状況だ。問題を持ち込んだこの責任は君にもあるんじゃないかな。本山さん、君には祐樹を巻き込んだ自覚はあるかな?」
「はい。責任はどうやって取ったらいいですか?」
「莉愛、君が責任を取る必要はない!取引のことは僕が決めたから僕の責任なんだよ……お父さん、僕と喧嘩したいんですか?」
祐樹は立ち上がった。莉愛は祐樹の腕を引いて座らせた。サエキ社長は祐樹さんをにらんで黙らせた。
「本山さんをいじめるつもりはない。彼女にうちの現状を聞かせるだけだよ」
「祐樹さん、ありがとう。大丈夫だから、お話を伺わせて……」
莉愛は彼を遮るように言った。
「うちはお茶のことはしろうとでね。色々と勉強してからお茶の取引に参入しようと考えていた。花邑茶舗から話があった時、少し迷ったんだ。でも調べると花邑茶舗は足元が危うくてね。お茶に詳しくないうちを利用する気があったんだろう。最初からリスクは取りたくなくて断った」
「……お気持ちは想像できます。私が逆の立場でもそう思うと思います」
「そうだろう。あげくに、付き合ってもいないのに、突然結婚したいと言い出した。親としても、サエキ商事の社長としても、君を警戒する気持ちは間違っていないだろう?」
「お父さん、あんまりだ。今の言葉は初対面の莉愛に対してかける言葉じゃない」
「祐樹の覚悟は十分聞いた。黙っていなさい。彼女と話してみたいんだ。本山さん、いいかな」
莉愛はうなずいた。
「はい」
「祐樹は君を花邑茶舗の御曹司との縁談から救い出すために、業績の悪いお茶問屋を二社うちに押し付けた。今更放り出すわけにもいかない状況だ。問題を持ち込んだこの責任は君にもあるんじゃないかな。本山さん、君には祐樹を巻き込んだ自覚はあるかな?」
「はい。責任はどうやって取ったらいいですか?」
「莉愛、君が責任を取る必要はない!取引のことは僕が決めたから僕の責任なんだよ……お父さん、僕と喧嘩したいんですか?」
祐樹は立ち上がった。莉愛は祐樹の腕を引いて座らせた。サエキ社長は祐樹さんをにらんで黙らせた。
「本山さんをいじめるつもりはない。彼女にうちの現状を聞かせるだけだよ」
「祐樹さん、ありがとう。大丈夫だから、お話を伺わせて……」
莉愛は彼を遮るように言った。
「うちはお茶のことはしろうとでね。色々と勉強してからお茶の取引に参入しようと考えていた。花邑茶舗から話があった時、少し迷ったんだ。でも調べると花邑茶舗は足元が危うくてね。お茶に詳しくないうちを利用する気があったんだろう。最初からリスクは取りたくなくて断った」



