夢見る契約社員は御曹司の愛にスカウトされる

「もちろんよ、じゃない、もちろんです、部長」

「ぷ、あはは……莉愛には僕をこんな風にした責任を取ってもらう。僕に急な決断させるようなことをしたのは君だ」

「わかっています。とりあえず仕事で責任を取ります」

 祐樹は笑いながら莉愛のおでこを長い人差し指で軽くつついた。

「仕事の責任なんて求めてない」

「え?」

 祐樹は莉愛の耳元に口を近づけた。

 そして顎を捉えて唇を重ねた。

「……ん!」

 チュっと音を立てて一瞬で彼は離れた。驚いた莉愛は目を見開いた。

 祐樹は莉愛の唇を指でなぞったあと、耳元で囁いた。

「君は僕との結婚にあの時同意した。そっちの責任は必ず果たしてもらう」

 そう言うと、もう一度噛みつくようなキスが降ってきた。彼は彼女の唇を割った。

「……は……ん……」

 莉愛はぞくぞくして、祐樹にしがみついた。祐樹は莉愛の身体をぎゅっと抱き寄せた。莉愛も彼の背中に手を回した。

 祐樹は身体を押し付けて莉愛を壁際に拘束した。莉愛はつま先立ちになって、背の高い彼の首に両手を回した。

 二人でしばらく求め合うようにキスをした。

「……ん……」