「何で驚く?」
「だって、さっきのお姉さんの様子だと千堂家や佐伯家、両家みんなから反対されてるんでしょう?でもそれは当たり前だと思います」
「千堂の父と兄は佐伯の父をどうにかできるならそれからだと言われた。佐伯の父が簡単に許すはずがないのをわかっているんだろう。でも、姉は味方だ」
「祐樹さんはきっと私に騙されてると言われてるんじゃない?だって契約社員止まりだった私を祐樹さんがコネで無理に正社員にした。本山茶舗はつぶれかけていたのにサエキ商事との取引をもちかけてもらっただけじゃなく、花邑茶舗との取引もサエキ商事は一度断っていたのに交渉に応じるなんてまずいでしょ」
祐樹は笑いだした。莉愛はそれを見て驚いた。
「そう、確かに似たようなことを父に言われたな。君へ夢中になって騙されたんじゃないかってね」
「やっぱり……」
莉愛は顔を覆った。
「君を花邑に取られたくなかったから夢中で取引のことをやったのは確かだけど、騙されてはいない。茶の輸出入については前々から考えていた。成功の青写真もあり、父にはきちんと説明したつもりだが、突然すぎてどうしても許せないんだと思う」
「祐樹さん……」
祐樹は莉愛をそっと胸の中に抱きいれた。初めて彼の優しいグリーンの香りに気づいた。
「正社員にしたのも、今考えれば君を僕の側に置きたいからだったのかもしれない。でもいずれ一緒にお茶の商品を作っていきたいという気持ちに嘘はない」
「私も一緒に作りたい。苦手な英語を頑張ろうと決めたのだってそのためよ。でも、結婚は……もう無理しなくていいのよ。祐樹さんが結婚したいならもっとふさわしい人とすればいいわ。私なんて所詮祐樹さんとは身分違いだし……」
「また、それか……そうは言うが、一応君だって社長令嬢でお嬢様だ」
「だって、さっきのお姉さんの様子だと千堂家や佐伯家、両家みんなから反対されてるんでしょう?でもそれは当たり前だと思います」
「千堂の父と兄は佐伯の父をどうにかできるならそれからだと言われた。佐伯の父が簡単に許すはずがないのをわかっているんだろう。でも、姉は味方だ」
「祐樹さんはきっと私に騙されてると言われてるんじゃない?だって契約社員止まりだった私を祐樹さんがコネで無理に正社員にした。本山茶舗はつぶれかけていたのにサエキ商事との取引をもちかけてもらっただけじゃなく、花邑茶舗との取引もサエキ商事は一度断っていたのに交渉に応じるなんてまずいでしょ」
祐樹は笑いだした。莉愛はそれを見て驚いた。
「そう、確かに似たようなことを父に言われたな。君へ夢中になって騙されたんじゃないかってね」
「やっぱり……」
莉愛は顔を覆った。
「君を花邑に取られたくなかったから夢中で取引のことをやったのは確かだけど、騙されてはいない。茶の輸出入については前々から考えていた。成功の青写真もあり、父にはきちんと説明したつもりだが、突然すぎてどうしても許せないんだと思う」
「祐樹さん……」
祐樹は莉愛をそっと胸の中に抱きいれた。初めて彼の優しいグリーンの香りに気づいた。
「正社員にしたのも、今考えれば君を僕の側に置きたいからだったのかもしれない。でもいずれ一緒にお茶の商品を作っていきたいという気持ちに嘘はない」
「私も一緒に作りたい。苦手な英語を頑張ろうと決めたのだってそのためよ。でも、結婚は……もう無理しなくていいのよ。祐樹さんが結婚したいならもっとふさわしい人とすればいいわ。私なんて所詮祐樹さんとは身分違いだし……」
「また、それか……そうは言うが、一応君だって社長令嬢でお嬢様だ」



