祐樹は莉愛の左手をうやうやしく持ち上げると指輪に軽く唇を当てた。
下から莉愛を見る目は色気が漂う。莉愛は彼のまなざしを受け止めきれず赤くなって横を向いた。
相変わらず祐樹の夜は長くて、莉愛は今でも彼に翻弄され、最後に半分飛んでしまう。
「ねえ、私が結婚を公表したら、絶対色仕掛けだの、玉の輿だの陰口をみんなに言われそう。祐樹さんはふたつの会社の御曹司だったんだから……」
「本来の椅子取り合戦に負けて、もうひとつの椅子にちゃっかり座った御曹司だけどね」
「よく言うわ。こんな傾きかけた茶舗の娘が嫁ぐ相手じゃ本当にないのよ」
「そんなことを言っているのも今のうちかもしれないぞ。夢を実現してお茶の販路を増やしたのは君だ。大金持ちになるかもしれないぞ。僕こそ玉の輿かもしれない」
二人で顔を見合わせて笑った。
「祐樹さん」
「ん?」
下から莉愛を見る目は色気が漂う。莉愛は彼のまなざしを受け止めきれず赤くなって横を向いた。
相変わらず祐樹の夜は長くて、莉愛は今でも彼に翻弄され、最後に半分飛んでしまう。
「ねえ、私が結婚を公表したら、絶対色仕掛けだの、玉の輿だの陰口をみんなに言われそう。祐樹さんはふたつの会社の御曹司だったんだから……」
「本来の椅子取り合戦に負けて、もうひとつの椅子にちゃっかり座った御曹司だけどね」
「よく言うわ。こんな傾きかけた茶舗の娘が嫁ぐ相手じゃ本当にないのよ」
「そんなことを言っているのも今のうちかもしれないぞ。夢を実現してお茶の販路を増やしたのは君だ。大金持ちになるかもしれないぞ。僕こそ玉の輿かもしれない」
二人で顔を見合わせて笑った。
「祐樹さん」
「ん?」



