「はい」

「これはパティシエが他のデザートにも利用できるいい商品だと思うんです。パティシエ向けの業務用としても絶対需要があります。実は僕も使いたいんです。早く商品化してください」

「ありがとうございます」

「お茶の品質がいいからこそできることです。あとは、コストと売値の問題ですね」

 祐樹が入ってきて言った。

「確かにそうです。そのあたりも本選は課題になるでしょう。本選はその場で結果が出ません。そういったことを商品課や役員も入って話し合ったうえで、どれを作るか後日決定すると聞いています

「なるほど、そうなんですね」

 パティシエ達は頷いた。

「一位は輸出用という本来のコンセプトに合っている。是非海外で販売したい。素材から日本を理解してもらうこともできるだろう。是非商品化できるよう働きかけたい」