☆ ☆ ☆
その日も莉愛は祐樹の家にいた。会社が近いので、コンペが近い最近はこちらに泊まっている。祐樹が家に帰ると莉愛はじいっと考え込んでいた。
「莉愛、どうした?」
「あ、お帰りなさい……遅くまでお疲れさまでした。ご飯は?」
「ああ、少しだけ食べたが……莉愛はどうした?」
「私も駅前でお弁当買ってきちゃった。祐樹さんの分もあるけどどうする?」
「ああ、じゃあ少しもらおうかな」
「はい」
ダイニングテーブルの上には試作品の入ったタッパーウエアとスケッチブックがあった。あさっては部内のコンペだ。
食事を取りながら、彼女の様子をじっと見ていた。
「莉愛、準備はできたのか?」
「あ、うん。ねえ、沙也加さんはどうしてコンペの参加を取りやめたの?」
「まあ、パティシエと色々あったようだ。聞いてるだろ?」
「香苗さんから少し話は聞いた。別に私の商品内容なんて知られても構わないわ。香苗さんとも商品を見せあったの」
「そうなのか?どうだった?」
「とてもいい商品よ。正直私のより海外向けに考えてる。もちろん和の素材を利用していて、とてもいいと思った」
「莉愛のはどうなんだ?」
「うーん。祐樹さんには言ってないけど、私の商品は元々国内販売向けに考えていたものがほとんどなの。特に、お茶の甘くない味となると、海外で受けるとはあまり思えない。でも、本選は国内向けでもあるし、思い切ってそのまま作ることにした」
「……そうか。莉愛の好きにすればいい」
その日も莉愛は祐樹の家にいた。会社が近いので、コンペが近い最近はこちらに泊まっている。祐樹が家に帰ると莉愛はじいっと考え込んでいた。
「莉愛、どうした?」
「あ、お帰りなさい……遅くまでお疲れさまでした。ご飯は?」
「ああ、少しだけ食べたが……莉愛はどうした?」
「私も駅前でお弁当買ってきちゃった。祐樹さんの分もあるけどどうする?」
「ああ、じゃあ少しもらおうかな」
「はい」
ダイニングテーブルの上には試作品の入ったタッパーウエアとスケッチブックがあった。あさっては部内のコンペだ。
食事を取りながら、彼女の様子をじっと見ていた。
「莉愛、準備はできたのか?」
「あ、うん。ねえ、沙也加さんはどうしてコンペの参加を取りやめたの?」
「まあ、パティシエと色々あったようだ。聞いてるだろ?」
「香苗さんから少し話は聞いた。別に私の商品内容なんて知られても構わないわ。香苗さんとも商品を見せあったの」
「そうなのか?どうだった?」
「とてもいい商品よ。正直私のより海外向けに考えてる。もちろん和の素材を利用していて、とてもいいと思った」
「莉愛のはどうなんだ?」
「うーん。祐樹さんには言ってないけど、私の商品は元々国内販売向けに考えていたものがほとんどなの。特に、お茶の甘くない味となると、海外で受けるとはあまり思えない。でも、本選は国内向けでもあるし、思い切ってそのまま作ることにした」
「……そうか。莉愛の好きにすればいい」



