「本山……」
「実は、コンペが終わったら私と祐樹さんはサエキ商事に移る予定なの」
「……!本当なのか、それ……」
「誰にも言わないでね。お願いだから黙っていて。葛西君だから話した」
「わかった……」
「私の実家は今サエキ商事で取引の準備中なの。それも、祐樹さんが無理に頼んでそうしてもらったから、色々責任を背負わされたの。だから、あちらで……」
莉愛は涙を流した。
「そういうことだったのか。大変だったんだな。俺はなにもできなかったから、ごめんな。大丈夫だ、祐樹さんならどんなことがあっても結果を出す。あの人はすごい人だから間違いない」
「ありがとう」
「しかし、どうして俺がライバルだった祐樹さんを褒めまくらないといけないんだ?」
「ふふ、そうだね。葛西君、本当にいい人だよ」
「よく言うわ。何も考えずに正社員で働けてとか言ってたのはどこのどなたでしたかねえ」
莉愛は手を合わせて頭を下げた。
「ごめん」
「ま、いいさ……お前が元気になったならそれでいいよ」
「うん、ありがとう」
莉愛がタクシーで家に戻ると、祐樹は起きて仕事をしていた。この後、アメリカの事務所と会議があるのだ。
「実は、コンペが終わったら私と祐樹さんはサエキ商事に移る予定なの」
「……!本当なのか、それ……」
「誰にも言わないでね。お願いだから黙っていて。葛西君だから話した」
「わかった……」
「私の実家は今サエキ商事で取引の準備中なの。それも、祐樹さんが無理に頼んでそうしてもらったから、色々責任を背負わされたの。だから、あちらで……」
莉愛は涙を流した。
「そういうことだったのか。大変だったんだな。俺はなにもできなかったから、ごめんな。大丈夫だ、祐樹さんならどんなことがあっても結果を出す。あの人はすごい人だから間違いない」
「ありがとう」
「しかし、どうして俺がライバルだった祐樹さんを褒めまくらないといけないんだ?」
「ふふ、そうだね。葛西君、本当にいい人だよ」
「よく言うわ。何も考えずに正社員で働けてとか言ってたのはどこのどなたでしたかねえ」
莉愛は手を合わせて頭を下げた。
「ごめん」
「ま、いいさ……お前が元気になったならそれでいいよ」
「うん、ありがとう」
莉愛がタクシーで家に戻ると、祐樹は起きて仕事をしていた。この後、アメリカの事務所と会議があるのだ。



