「何赤くなってんだよ。もうそれだけで答えがわかるわ。はー、やっと告白したのに、すぐ撃沈か……もっと早く言えばよかった。兄貴の言う通りだったな」
「……あのね、葛西君」
「なんだ?いいよ、慰めは……」
「あの、気持ちは嬉しい。応えられなくてごめん。実は私、入籍してるの」
「は?!何言ってんだよ!入籍って結婚したのか?」
ガタンと音を立てて立ち上がり大声を出す葛西に、莉愛はびっくりして周りを見わたした。居酒屋なのでざわざわしていて、一瞬こちらを見た人がいたが、すぐに視線は元に戻った。
「ごめん、落ち着いてくれる?」
「まさか祐樹さんとか?」
こくんと莉愛はうなずいた。
「なんだよ、それ?どうしてそんな急に一体どういうことだ?え、海外事業部の人も知っているのか?いやそんなわけないな。あの人のファンが大勢いるから知られたら大変な騒ぎだぞ」
「詳しくはお兄さんに聞いて。ここではちょっと……誰が聞いているかもわからない」
「兄貴は知ってるのか。やっぱりな。お前のことを諦めろって最近何かと言うから、嫌な予感がしていたんだ。前は応援すると言ってたくせに、手のひら返したようにその一点張りだ。今日はそれを確認するために告白したようなものだった。言ってよかったよ。ようやく秘密を話してくれた」
「本当にごめんなさい。知っているのは修二さんと彼の親族だけなの。もちろんうちの親は知ってるわ」
「事情がありそうだな。秘密なのか?」
「そうね……少なくとも、賛成してくれているのはうちの両親と秘書課長のお姉様、佐伯のお母様くらいしかいない」
「……あのね、葛西君」
「なんだ?いいよ、慰めは……」
「あの、気持ちは嬉しい。応えられなくてごめん。実は私、入籍してるの」
「は?!何言ってんだよ!入籍って結婚したのか?」
ガタンと音を立てて立ち上がり大声を出す葛西に、莉愛はびっくりして周りを見わたした。居酒屋なのでざわざわしていて、一瞬こちらを見た人がいたが、すぐに視線は元に戻った。
「ごめん、落ち着いてくれる?」
「まさか祐樹さんとか?」
こくんと莉愛はうなずいた。
「なんだよ、それ?どうしてそんな急に一体どういうことだ?え、海外事業部の人も知っているのか?いやそんなわけないな。あの人のファンが大勢いるから知られたら大変な騒ぎだぞ」
「詳しくはお兄さんに聞いて。ここではちょっと……誰が聞いているかもわからない」
「兄貴は知ってるのか。やっぱりな。お前のことを諦めろって最近何かと言うから、嫌な予感がしていたんだ。前は応援すると言ってたくせに、手のひら返したようにその一点張りだ。今日はそれを確認するために告白したようなものだった。言ってよかったよ。ようやく秘密を話してくれた」
「本当にごめんなさい。知っているのは修二さんと彼の親族だけなの。もちろんうちの親は知ってるわ」
「事情がありそうだな。秘密なのか?」
「そうね……少なくとも、賛成してくれているのはうちの両親と秘書課長のお姉様、佐伯のお母様くらいしかいない」



