夢見る契約社員は御曹司の愛にスカウトされる

 それなら、いないと言った方がいいかもしれない。しかも入籍しているというのはこれまた……指輪もしてない。

 嘘をつき続けると追及されてしまう。

「彼氏いないなら、俺なんかどう?」

「……え?!」

 莉愛は驚いて口があいた。

「葛西とはつきあってないんだろ?君のこと、実は紹介されたときからいいなと思ってたんだ。ここに来てからもすごく頑張ってるし、好感がもてる。まさか同僚になるとは本当に驚いたけど、俺達もしかすると縁があるのかもしれない」

 嬉しそうに莉愛を見ている。

「葛西君とは友達だよ。須藤君こそエリートだし、すごくモテそう。どうして彼女いないの?」

「うーん。海外に出る可能性もあるからな。理解のある女性じゃないと無理かもしれないと思ってる。本山は英語頑張ってるじゃないか」

「恥ずかしい……素人同然だったのがみんなにばれてるよね」

「それはそうだろう。国内営業だったんだろう。新人でここに来た奴はもっとひどいぞ。お前はひと月で話せるようになった。すごいよ」

「ありがとう。そう言ってもらえると励みになる」

「聞いていいか?本当はどうしてここへ来た?前は国内営業で契約社員だったじゃないか。期間満了で辞めたって聞いていたし、ここは畑違いだ。正社員になっていたからさらに驚いたんだ」

 すると、部長室から修二さんと彼が出てきた。

「あれ、お疲れ。須藤だけ?相変わらず皆帰るの早いな」

「はい。でも本山もいますよ」