「僕も英語がからきしできない君を配属なんて不思議だったよ。部長権限であいつが決めたんだからさ。聞くならあいつに聞いてくれ」
「……」
莉愛は頼まれた英文の商品概要をパソコンで打ち込みながらバンバンとすごい力でキーボードをたたいた。
「おーい、パソコンに当たって壊すなよ。まあ、大丈夫さ。その様子ならそう遠くないうちきっと出来るようになる。君は今までいたどんな新人よりも覚える量は多いけど、その割に覚えるのは速い。英語の電話はわからなければ何度も聞く。恥をかいてなんぼだ」
「……前に祐樹さんもそんなことを言ってた……恥を何回かいたらいいのよ……」
フロアでは莉愛のあまりの英語力のなさに呆れる声もあった。修二はお茶の海外展開のために彼女を配属したと説明してくれた。
部屋に戻ってきた祐樹は、元気のない莉愛を見ながら修二に言った。
「おい、修二。あんまり彼女をいじめるなよ。少し痩せたような気がする」
「祐樹、僕に任せると言った以上、口出しは無用だぞ」
「わかったよ」
「でも、本山さんは営業だったとは思えないほど、パソコンも得意なんだな。少し驚いた」
「そうですか?私、営業とは名ばかりで、実は何でも屋さんでした。事務方の入力の手伝いもやってましたから、正直どっちの経験もあるんです」
英語の電話がかかってきて、莉愛に取るように修二が仕向けた。案の定、途中でわからなくなり祐樹が電話を取り上げた。
修二は笑っている。莉愛は頭をぶつけるようにして机に突っ伏した。祐樹が言った。
「大丈夫だ。聞き取れなかっただけだろ。今の話し方で問題ない。落ち込むな。僕は君の味方だって言ってるだろ」
「いいなあ、本山さん。部長が味方なんて他の人に言うの聞いたことないぞ」
「……」
莉愛は頼まれた英文の商品概要をパソコンで打ち込みながらバンバンとすごい力でキーボードをたたいた。
「おーい、パソコンに当たって壊すなよ。まあ、大丈夫さ。その様子ならそう遠くないうちきっと出来るようになる。君は今までいたどんな新人よりも覚える量は多いけど、その割に覚えるのは速い。英語の電話はわからなければ何度も聞く。恥をかいてなんぼだ」
「……前に祐樹さんもそんなことを言ってた……恥を何回かいたらいいのよ……」
フロアでは莉愛のあまりの英語力のなさに呆れる声もあった。修二はお茶の海外展開のために彼女を配属したと説明してくれた。
部屋に戻ってきた祐樹は、元気のない莉愛を見ながら修二に言った。
「おい、修二。あんまり彼女をいじめるなよ。少し痩せたような気がする」
「祐樹、僕に任せると言った以上、口出しは無用だぞ」
「わかったよ」
「でも、本山さんは営業だったとは思えないほど、パソコンも得意なんだな。少し驚いた」
「そうですか?私、営業とは名ばかりで、実は何でも屋さんでした。事務方の入力の手伝いもやってましたから、正直どっちの経験もあるんです」
英語の電話がかかってきて、莉愛に取るように修二が仕向けた。案の定、途中でわからなくなり祐樹が電話を取り上げた。
修二は笑っている。莉愛は頭をぶつけるようにして机に突っ伏した。祐樹が言った。
「大丈夫だ。聞き取れなかっただけだろ。今の話し方で問題ない。落ち込むな。僕は君の味方だって言ってるだろ」
「いいなあ、本山さん。部長が味方なんて他の人に言うの聞いたことないぞ」



