「ああ、僕もすごく楽しみだ。ベッドだけは急いで新しく買っておくよ」

「……」

「何だその目は……」

「祐樹さん……エッチすぎる……」

「夕べは莉愛があまりに初心で可愛いから……ちょっと加減が効かなかっただけだよ」

「男の人がみんなあんなはずないわ……もうだめって言ってるのに……なんであんなに……」

「男はみんな、かわいい子にはああなる。莉愛が知らなかっただけだ」

「……」

「そんな目をしてもだめだ。かわいいだけなんだぞ」

「何よ!」

 祐樹は莉愛を抱き寄せた。莉愛は逃げようとしたが、祐樹がおでこにキスをすると、顔を上げてにらんだ。すると、優しく唇にキスをした。

「んっ!」

「莉愛、明日から会社では上司と部下だ。しかも、君はうちの部に慣れるまでしばらくかかるだろう。正直大変かもしれない。僕がスカウトして連れてきたのは説明するつもりだが、英語ができない君を表立って贔屓はできない」

「はい」

「修二にだけは入籍したことを話しておく。あいつは僕にとって兄弟みたいなものだ。今までも二人三脚でやってきた。本当はあいつもサエキ商事に連れて行きたいが、無理だな。途中でここを去ってしまって、全て任せられるのはあいつだけだ」

「そうなのね」