「……」

 莉愛は朝から祐樹にまたあちこち攻略されてしまった。そして、気づいたら昼過ぎだった。

 ☆ ☆ ☆ 

 祐樹と莉愛はホテルで遅いランチを取った。

「莉愛、家に行く前、母の墓参りへ一緒に行ってほしいんだ。君を紹介したい」

「もちろんよ」

 祐樹は莉愛を母の眠る場所へ連れて行った。

 そこには百合の花が飾ってあった。まだ新しい。

「母さんの月命日がおとといだった」

「そうなの」

 二人は墓の前にしゃがんだ。

「母さん、彼女が僕の妻になった莉愛だ。やっと連れて来た」

「初めまして、莉愛です。祐樹さんの妻です。よろしくお願いします」

 祐樹は手を合わせて何か祈っていた。

「お母さまはいつ亡くなられたの?」

「高校時代だ」

「ご病気?」

「そうだな……」