First Last Love


俺はビルから出ると、正面にあるコンビニで食料や水、コーヒー、夜中のオフィスがめちゃ寒い事がわかったから、長丁場に備えて日本酒のワンカップも二本買いこむ。

それを通勤用リュックに詰める。イートインで夕飯も食っておく。

さあ、これから自分のオフィスが入っているビルに不法侵入だ。用意は万端。警備員は普段から仲良くしている服部さんだと確認済み。


ビルに戻るとゲートエリアに隣接の警備員室に、慌てた様子で駆け込む。

「服部さん、すいませんー。IDカードが反応しなくて。滑って転んで曲がっちゃったんですよ。チップがおかしくなったかも」

「え! 副社長、怪我しなかったんですか?」
「まあ。それは平気なんですが、急ぎの用事で社に戻らなくちゃならないのに入れない」

 俺はあらかじめ作ってきた偽のIDカードを見せた。真ん中からべっこり折れている。

「しょうがないですね。こっちから入って」