First Last Love


つき合いが長く、そして濃いぶん、ナツは俺の言動に鋭い。めちゃくちゃ鋭い。

「んー……」

 正直、返答に詰まる。

「警備員もいないしガラス張りでもない多目的ルームが、そこまで安全だとは思えないもんな。社員のIDカードで開くのはそれを持ってない外部犯には障害だろうけど、それはいつものフロアだって同じことだ」

「警備員、そっちにもまわしてもらう? それってできるのかな?」

 ナツの言葉を受けて枝川が問う。

「いや、それは難しいし、とりあえずいいかな、って思ってる」

 四十二階はほぼ無人だ。見晴らしがいいから応接室として使っている会社が多い。

うちは天井までの間仕切りで内部がつながっている二部屋を借りている。ひとつは新入社員面談などの多目的ルームで、もうひと部屋が応接室だ。

Canalsオンリーのフロアにも応接はあって、そっちに人を通すことのほうが圧倒的に多い。こっちを使う時は、よほど機密性の高い案件や事情のある場合だ。

 他の会社も似たような使い方をしているから、就業時間中でもほとんど人がいない。警備員の周回は極端に少ないと、ビル管理会社から説明を受けている。