扉の向こう側は、緑に輝く芝のガーデンチャペルだ。
これから、一時帰国したわたしと健司の人前結婚式が、ここでとり行われる。
「お姉ちゃん、てば、大丈夫? 震えてない?」
「ふ、二葉こそ」
「あたし、こういうの、わりと大丈夫らしい」
「あ、そうなの?」
わたし、意外にダメみたい。
普通なら花嫁をエスコートし、一緒にバージンロードを歩く役割を担うのは父親だけれど、わたし達に、もうその人はいない。
その役目を引き受けてくれるのは、唯一血のつながっている妹の二葉であることが、言葉にできないほど嬉しい。
二葉がここまで回復してくれたことが、アメリカに来ての最大の喜びだ。
カリフォルニアでの治療は二葉にとてもよく合っていて、今ではほぼ普通の生活が送れている。
今までの人生を取り戻すべく、アメリカの大学に入るため、猛勉強をしている最中だ。

