First Last Love


健司は、わたしのやりたいことを尊重してくれる。

わたしが忙しい時はどんどん家事もこなすし、自分も忙しくて手がまわらなくなればハウスキーパ―を手配する。

タイパ意識もコスパ意識も高いCanals副社長、およびロサンゼルス支社長であり、わたしの頼れる夫だ。

唯一、それ、必要? と思うことは、稀にアンドリューと二人で遅くまで打ち合わせをしなければならない時は「俺の心の安定のためだ!」と恥ずかしげもなく主張し、自分も参加する。

そんなことをしなくたって、わたしにとって、健司以外はイケメンどころか男性にすら見えていないかもしれないのに……。

ただただ夢中だった健司への恋心は、尊敬や人間的な特性が絡み、もっと深いものに進化した気がする。

途中離脱をしてからは、今回のアプリ開発に関して完全に裏方に徹してくれていた。

「一颯、これは才能なんだよ」と手放しでわたしのプログラミング技術を認め、賞賛してくれる。

男性であり、奇しくも同じ会社の副社長という地位にいながら、部下で妻のわたしに光があたることに、心からの喝采を送ってくれる。