終わった後、眠りに落ちた一颯の髪を梳きながら思う。
何度も俺の前から消えたり、別れを決断しなくちゃならなくなったりした。
小学校の頃、月城、という苗字と、髪がサラサラだったことから勝手なイメージで機嫌をとる時だけに使っていた〝月姫〟という呼び名が怖い。
だからもう使わないよ。
月に還られたら困るから。
君が近くにいてくれないと、もう俺はきっと人として機能しない。
ナツが見つけた恋愛に匹敵する相手が現れたから、その人と結婚するよ。
その人と結婚できる奇跡を心から幸福に思う。
十歳で出会い、十二歳で別れた。
その感情に名前があることさえ気づかないほど幼くて、ただ次に会える日を心待ちにするしかなかった。
その十四年後に二十六歳でもう一度、憎み憎まれる相手として皮肉な出会い方をする。
それでもお互いの気持ちは、十二歳で別れた時の延長箇所に落ち着いてくれた。
今まで生きてきた道のりは、すべてこの奇跡の再会に収斂していくのだと決まっていたような気がする。
最初に愛した少女と、最後に愛する女性が一颯だったことに、神様、感謝します。

