一緒に暮らしているのにこのままずっと別々なんて耐えられない。
俺はスマホで通販サイトを呼び出した。
通常のお届けで明日来るのかな?
「ベッド、ポチるとか何考えてんのよ? 健司、まだ普通の生活ができないでしょ? ゆっくり休んだほうがいいからに決まってるじゃない」
「別々に寝るほうがゆっくり休めない」
誰だよ、と思うほどの甘え声に甘え口調が響き、自分でぞわっとした。
でももう我慢も限界にきていた俺は、一颯を後ろからやんわりと抱きしめる。
自分の鎖骨の上で交差された俺の両腕に、両手をかけながら、一颯が拗ねたようなトーンで告げる。
「……お医者さんにしばらくは安静にしてください、って言われてるじゃない。一緒に寝るだけ、ってできそう?」
「できるわけないだろ!」
何、男の生理を無視したことを抜かしているんだ!
「俺がどんだけ我慢してると思ってんだよー」
一颯の首筋に額を擦り付ける。
風呂上がりの清潔な匂いとともに、俺と同じボディソープやシャンプー、さっき髪につけてくれた一颯のヘアクリームの匂いが鼻腔をくすぐる。
戻ってきてくれたんだ、という夢か現実か悩む状況の上、この天国のような香り。
これで寸止めなんて、俺史上最大の罰ゲームだよ。

