「まあ、それはそうかも」
小首を傾げて考える一颯が可愛い。
好きな事をやってくれ。ハウスキーパーでも何でも入れるから。
今日は一颯が片付けまでやってくれた。
俺が手を出そうとしても、怪我を理由にがんとして拒否される。
「健司、髪の毛洗えなくない? 病院でやってもらってたでしょ? 今日からわたしがやる」
「いや、まさか。それは自分でやる。力入れなければもう両手使えるから」
「そう? じゃあ乾かすのだけわたしやるね」
「……うん」
え、今のって、〝一緒に風呂入ろう〟の誘いじゃないよな?
俺、返答ミスったのか?
「健司、先に入ってきてー。まだこっちの片付け残ってるから。あ、前開きのパジャマ買っといた。脱衣所の棚にある」
一颯の足にミケが身体をこすりつけてかまってくれアピールをしている。
その状態でテーブルを布巾で拭く一颯には、なんの異変も見られない。やっぱり風呂の誘いだなんて、ただの願望からの妄想か?
俺は邪念を引っ提げて風呂に向かった。
風呂からあがると、一颯の買ってきてくれた紺色のパジャマに袖を通す。
スェットじゃなくてパジャマって小学生以来かもしれない。
着脱で腕をあげるのが痛いだろうと配慮してくれたのだ。

