First Last Love



「健司、そんな重い荷物はまだ持っちゃダメだよ。力入れると痛いでしょ?」

 退院の日、一颯は俺の車に乗って迎えに来てくれた。自動車保険には彼女の名前をプラスした。

「これくらい平気だって」

「早く元気になってもらわないと、支社長なしのロサンゼルス支社になっちゃうんだよ?」
「間に合わせる。絶対!」
「まあ……。経過は順調でよかったけどさ」


 退院した俺の部屋には、今日から一颯も一緒に住むのだ。俺の食事を作らないと! と息巻いている。

俺はまだオフィスへの復職は無理で、しばらくリモートだ。

本来なら俺が作った方がいいんじゃないの? と思うけれど、実際まだ結構痛い。

利き手側の鎖骨下じゃなかったことが幸いしたから、できる範囲の簡単な飯は作ろうと思っている。

これからは共働きだから、俺もバリバリ家事をこなせるようにならないといけないのだ。

一颯は会社で頼られることも多いし、その上引き継ぎもあって夜遅い。

社まで行くわけにはいかないけど、最寄り駅までは迎えに行ってもいいよな。



 一颯と一緒に住んで彼女の誕生日には籍を入れることを、社員にはこの間公表した。

口をあんぐり開けて呆けたみんなの顔が、非常に面白かった。