村上健司様
今回父が、人にあるまじき事件を起こし、苦しい思いをさせて申し訳ありませんでした。
告白します。
あのファミレスで話した日、一颯ちゃんと一緒に生きようとする貴方を責めたけど、あれは言いがかりで完全な嫉妬です。
一颯ちゃんの気持ちが、恋愛対象として僕に向く可能性は皆無だとわかってはいました。
なのにみっともなく縋つき、一颯ちゃんとの婚約を解消しなかった。
一颯ちゃんは、真っ暗だった僕の人生に初めて光を当ててくれた人で、当然の如く初恋でした。
貴方の彼女に対しての強引な言動を責めたけど、僕にはできなかっただけのことなんです。
そんなことをすれば嫌われるのが目に見えていたから。僕は卑怯でした。
「君と違って一颯ちゃんの気持ちが迷いなく僕に向くまで待つ」と言いながら、その実、誓約書で彼女を縛り付けるしかありませんでした。
そんな日は一生待ってもこないと知っていたのだから。
貴方が現れ、一颯ちゃんの気持ちを一瞬でさらったことが許せなかった。
親子共々、どうしようもない人間でした。
謝罪し、猛省し、せめて僕はゼロからスタートして自分の足で歩いて行こうと思います。
婚約は破棄します。どうか一颯ちゃんを大事に、幸せにしてあげてください。言われなくても貴方ならそうするでしょうが……。
品川洋太

