品川は実刑の懲役刑になった。
一颯を狙った動機は、完全な逆恨みだそうだ。
兄は親に贔屓をされていた。
その憎い兄の娘なのに育ててやったんだ。
恩を仇で返しやがって、と、思考が沸騰していたらしい。
自分が一颯にしたことは全て棚にあげた態度に、情状酌量の余地は無いと判断された。ただ一颯と二葉ちゃんを引き取って育てたことだけは、多少考慮されたようだ。
そんな品川も、実子は可愛いらしい。
その後品川の意思で、息子の洋太は籍を抜いた。
モデル一本でやっていくしかないと退路を断たれた状態だけれど、清々しい顔してたよ、と一颯が報告してくれた。
まだ入院状態の俺に、二人だか叔母さんを入れても三人だかで会った話をされると、正直もやもやした感情が湧かないこともない。
一颯が絡むと俺は途端に涙もろくなるわ、心が狭くなるわ、でいちいち衝撃を受ける。
品川ゼミナールは離婚をした品川の妻、洋太の母親が両親の指導を仰ぎながら、かつてのような地域の塾として一からスタートをするそうだ。
そんな洋太から、一颯ではなく俺に、婚約の誓約書と、それを反故にする司法書士の書類が届いた。
短い手紙もついていた。

