アメリカ行きのメンバーに入っていないことには不審の声も漏れていた。
でも事情のわかっている、そして最後は、俺たちの仲を信じてくれていたナツは、ちゃんと一颯の席を空けていた。
一颯の方の事情が片付いたから、彼女も行かれるようになったとのナツの話を疑うものは、ほとんどいないだろう。
実際、二葉ちゃんも連れていくわけで、日本の病院からの転院もある。
ナツといえば、今回の俺の怪我の件ではやつの狼狽ぶりもかなりなものだったらしい。
あとで一颯に聞いた。
「仕事だとすごく大胆なのに、取り乱して、お医者さんに向かって『会わせてくれって!』とか懇願するし、わたしだけが健司のところに呼ばれた時にはついてきかねない勢いで、周りの役員さんたちに止められてたよ」
ナツには、ナツなりのトラウマがあってそういう行動になっちゃっている。
中学で知り合ってからあいつの心配ばかりをしていたのに、今回は心配のかけどうしだな。
仕事上のパートナーであり、同じヨットに乗ってゴールを目指すチームメイトであり、人生を通しての大事な親友だ。
ほんの二十六の若造だけど、大事なものの多い人生で恵まれている。まだまだサヨナラしたくはない。

