一颯は事故について、考えていた事を語ってくれた。
健司に責任のないことなのに、わたしが苦しむから身をひく。そして健司が身を引けばわたしも苦しむ。
そんな負のループはおかしい。
だからわたしも、自分に責任のないことで苦しむのはやめる。
わたしのせいだ。わたしが席を替わったから二葉はうつ病になったんだ、と自分を責めるのはもうやめる。
だってわたしは何か悪いことをしたわけじゃない。
預言者でもない。
未来の事故が二葉の身に何を起こすのかわかっていたら、席を替わったりしなかった。
もう呪縛に苦しめられるのはおしまいにしよう、と。
わたしは単純に二葉に治ってもらいたいから、働いて治療プログラムのお金を稼ぐの、と。
俺も稼ぐよ。
テクノロジーの本場、アメリカで、人と人を繋いで運河のように知識を運ぶビジネスを、大きく展開してみせる。
一緒にアメリカに行こう、一颯。
デジタルに力を入れていくCanalsにとって、一颯は大きな戦力なのだ。
そして一颯もコードを書く仕事がとても好きだ。
好きで夢中になれなければ、これだけの才能を花開かせることはできない。

