喉がひりつく。
それでも乾いたかすれ声をどうにか搾り出す。
何度かのつき合いの中で、最後かもしれないと思いながら、その時の彼女を抱いたことがないわけじゃない。
終焉が脳裏にチラついている時期のことだ。
でも、おかしくなりそうなほど好きなのに、どうしてもつき合うわけにいかない子を、最後だとわかっていて抱いたことなんかない。
これほどまでに好きな子を、そんなふうに抱けるわけがない。
「わたしは約束を守った。でも健司にとってそれは一時の気の迷いだった。じゃあ、一度くらいは好きじゃない女を抱くって汚れ方をしてもいいんじゃない? それで引いてあげるよ。健司の前から永遠に消えてあげる」
言葉は勇ましいのに、はっきりとした涙声だ。
心臓が悲鳴をあげる。
俺は顔をあげることができない。
どうすればいい?
抱けば想いが溢れる。
好きじゃないふりをするなんて、とてもそんな余裕はない。
だけど、ここで渾身の演技をしてでも……乗り切らないとーー。

