「月城さんも座んなよ。ちょっと時間ある?」
「あ、はい……」
「健司と小学校の同級生なんだってね」
「そうです」
「俺、超間接的なんだけど、中学の頃とか大学の頃とか、ちょろっと月城さんのこと、健司から聞いたことあるんだよね。だから、なんか最近知った人、って気がしないの。不思議」
一ノ瀬社長はなぜか、ものすごく砕けた完全にプライベート仕様の言葉遣いになっている。
一人称が〝俺〟で副社長は〝健司〟だ。
「わ……わたしの話?」
「そう。初恋の子、って事で話題にあがった事があんの」
「えっ。あの、健……副社長はわたしのこと、な、なんて……その頃」
「クラスにめっちゃ可愛い子がいてさー、って話してたな」
「それは……本当にわたしのことでしょうか?」
「そうそう。初恋から、他の恋を経て初恋に戻ってる稀有な男だよな」
「それは……」
一瞬で終わってしまったんじゃないだろうか?
わたしは手をつけていない自分のカフェラテに視線を落とした。

