First Last Love


どこだ、月城にそんなに褒めちぎられるその(うらや)ましい会社は!

「月城さん。どこだか聞いちゃ……ダメですよね? そんな羨ましい……じゃなくて魅力的な会社」

「知ってるかなあ。IT業界でも広告業界でもないし、そこまで大きい会社じゃないんです」

「もし、よかったら。いや、よくなくてもぜひ、ぜひ聞きたいです、どこか」

俺の食い付き具合がおかしかったのか、そこで月城は歯を見せて破顔した。

「面白いですね、村上さん。別に隠す必要ないですけど。村上さんが採用面接のライバルってわけじゃなし。Canalsって会社です。コングロマリット化してきてるように思いますけど、元は家庭教師の派遣会社です」

俺は思わず片手で鼻と口を押さえた。

うちの会社! こんな奇跡って、世の中に存在するのか? 

手を離して軽く天を仰ぐ。

脳に一気に血液が駆け上がり、咄嗟に鼻血が出るんじゃないかと慌てての行動かもしれない。言葉を失った。視界の色が鮮明になる。

感激で涙が出てきてしまいそうだった。

この場で立ち上がって「採用!」と叫び出したい衝動を(こら)える。