First Last Love


「一颯が、ちゃんと心の整理がつくまで待つよ。めちゃくちゃ……もうめっちゃくちゃ怖いけど」

「なんで怖いの? 何が怖いのよ?」

「一颯の心が、俺から動くことが。洋太さん、すげえイケメンだし。だけど一颯の幸せは一颯が決めるべきだから。洋太さんともちゃんと話し合えよ」

「嫌な気持ちにならないの?」

「ならない。いや、ならないように努力する。約束する。耐えるよ。待つ」

「健司……」

「月城家の書類に関する事は一緒に対応しよう。でも一颯の心の整理が完全に済むまでは、こういう時間は持たない。無理に求めたりしないから」

 そこで一颯は俺を両手できつく抱きしめた。

「わたしの気持ちが健司から動くことはないよ、絶対に。記憶を失ってた間にも、恋愛はした。でもこんなに強い想いを抱いた事はない。小学校からずっと健司のことを想ってた気がするもん」

「俺もだよ。真剣な恋愛をいくつも経験したはずだ。でも一颯を想うほどの切実な気持ちはなかった」

「洋ちゃんと婚約は解消してくるよ、ちゃんと。自分の本心を伝えてわかってもらう。もしかしたら泥沼かもね。品川の叔父さんが絶対に出てくるもん。そのために、今日持ち出した書類は必要かも」