First Last Love


 品川がCanalsの応接に来た日から三日目の金曜日は、予報通りの大雨になった。
雷警報も出ている。電車が止まる恐れもあり、出勤している社員を早急に帰宅させることになった。

かなりの社員がリモートの中、月城も俺もその日は出てきていたが、午後から家に戻った。

「着替え持ってこいよ」

 すれ違いざま、小声で口にしたしごく現実的なセリフに、後からひとりで勝手に赤面する。俺はいったいいくつだ。

 実は今日を狙って、俺と月城はもう一度彼女の実家に行くというミッションを決行することになっていた。

嵐で品川親子とかち合うことはないだろうとの判断だ。

 あっちも同じことを考えているんじゃないかと、月城に訊ねたら、洋太は車の免許を取得しておらず、品川は目が悪くて、ここまで視界の悪い日に運転することは不可能だそうだ。

 雷雨とはいえ、人通りゼロは絶対条件だから、やっぱり深夜しかない。

今度は家でちゃんと飯を食い、風呂にも入る。

愛猫(あいびょう)二匹には普段はなかなか使わない特別な飯をやり、充分一緒に遊んで寝かしつけ、用意万端で、月城を迎えに行く。

暖かいコーヒーはポットに用意したけど、今度は酒なしだ。

 月城の方も、寝て食べて風呂も入り、体力を温存した、と豪語する。