「村上副社長、後悔しないように。学生時代にお仲間で作った大切な会社でしょう?」
「そちらも奥様の先代から譲られた大切な会社でしょう?」
息子のような年齢の男に同じような口ぶりをされたことに鼻白んだのか、品川はそのまま会釈もせずに出て行った。
品川洋太は、月城の方を気遣うような心配するような……縋るような瞳でしばらく見つめた後、出て行った。
一応立ち上がるだけは立ち上がって見送った俺と月城は、気が抜けたように同時にソファに腰を落とす。
事前に少しでも打ち合わせをしておいてよかった。
月城はまだ実家で調べる事が多い。だから実家が燃えてはいない事には気づいていないふりをする。
気がついている叔父の嘘は、俺を無免許運転で事故を起こした犯人だという、それだけに絞った。
本当に裁判になるのかもしれないのだ。カードは今ここで、全部切る必要はない。
「案の定、月城が戻ればうちには手を出さない、と脅しをかけてきた。絶対に戻るなよ。月城」
「わたしのせいでこんな迷惑かけて申し訳なくて。わたし、どうすればいいんでしょう」
「天才的って言ってもいいくらいのプログラミングの才能だぞ。うちに貢献してくれればそれで元なんかいくらでも取れる」

