First Last Love


電話で俺たちの接点を明かすより、会ってからの方が劇的だろう。

わざわざスタバを指定した俺に月城は嫌な声音を出さなかった。まあ外で待っているのは寒いし、当然の判断に聞こえたのかもしれない。



茶色いロングコートにボブ。

スタバの入り口を抜けてきた時に、あの子が月城だとすぐにわかった。面影がしっかりある。

ここのスタバはそこまで広くはない。俺はキャップを被り、入り口の正面を向いて座っている。

多少店内を見回していた月城だけれど、待ち合わせの相手が俺だと認識するまでに数秒しか掛からなかった。だって白いボアキャップをかぶっているのは俺だけだから。

目があった。俺は会釈をして合図を送る。

月城の方も笑みを浮かべて会釈を返す。
手にした巨大な紙袋に入っているのは、俺のダウンジャケットだろう。

着てきた方が荷物は少なくて済む。だけどお互い親しくない他人のものだとわかっているにもかかわらず、着てくるほどデリカシーに欠けているわけでもない、ってことだ。


「すみません。たぶん間違えたの、わたしです。これですか? って聞かれて、肩のマーク見てそのまま、『はい』って」