それにしても、寒い季節で良かったよ。周りには誰もいない。
陽気が良かったらそれこそヤンキーに絡まれそうだ。
こんなに可愛い子がひとりで酒盛りなんて、彼らにしたら絶好のシュチュエーションだ。
「まだ帰りたくなーい!」
「夕凪ちゃん」
わたしも隣に座り込む。開けられていないビールも缶チューハイもまだまだある。
「わたしも飲んでいいかな?」
「えーと、月城さんですよね? どうして一緒に来てるの? やっぱお兄とつき合ってるんですか?」
「つき合ってないよ」
「そっか。今、〝幸せー!〟 を突きつけられるの、きついからなー」
「わかるな。その感覚」
わたしは近くにあったビールを手に取った。
夕凪ちゃんが、今、幸せな人といるのがきついのなら、わたしなんて最適の人材かもしれない。本当にきつい時に幸せオーラに当たるのが辛いという感覚は充分理解できる。
「いいですよ。飲んでも」
「ありがとう」
わたしは缶ビールのプルトップを開けた。
「おーおー。何やってんだ? お前ら」

