First Last Love


声を震わせてそう言葉を落とすと、一瞬くしゃりと顔を歪め、額を両の拳で押さえて膝に顔を埋めた。

 守りたい。
四六時中月城の側にいて、この世の毒牙(どくが)すべてから守りたい。

月城の細く震える肩を抱き寄せたい衝動を必死に、それこそ文字通り死に物ぐるいでこらえる。

それだけのことができる関係の名前もなく、月城の気持ちになんの確信も持てない今は、伸ばしかけた右手を無理やり拳にするしかないのだ。
嫌われたくない。
警戒されるのが怖い。

「月城。俺を信じることは、できない?」
「……これ以上、迷惑かけらんない」

「迷惑なんかじゃないんだよ。今、月城にCanalsを辞められて、またやつの(ふところ)に戻られるなんて、俺が耐えられない」

 中学二年。
月城が苦しみの最中(さなか)にいた頃、俺はラグビーに熱中し、仲間や家族に囲まれてなんの不自由もない明るい青春時代を送っていた。まだ頭の片隅に月城がいたにもかかわらず、だ。

あの頃の自分を蹴り飛ばしたいとさえ思う。

でも今の俺は違う。月城がどんな辛苦を舐めてきたのか、悩んでいるのか、全部ではないにしろ本人から聞くことができた。

俺はもう中二じゃない。急成長を遂げる会社の副社長だ。