First Last Love


「そう……なのかな」
「料理が好きになってたなんてな。人ってわかんないな。いつからやりだしたの?」

「中学……かな。好き、っていうか……。めちゃくちゃ嫌いではないかもしれない。食べてくれる人がいれば作ったかいもあるし」

「叔父さんの家に行ってからってことだよな?」

 月城は視線を小刻みに左右に揺らし(うつむ)いた。

 苦労したんだな。と、思う。手際の良さから考えても、かなりの頻度でやっていたはずだ。強要されたわけじゃないのかもしれないけど、無賃(ただ)で置いてもらうことに対して、無茶苦茶な負い目があったはずだ。月城の性格なら。

 それにしても、実家で思い入れのある日記を見つけることができ、それを読んでからというもの、月城は驚異的なスピードで昔のことを思い出している。

漫画やドラマと違うじゃんか。

今まで、どれだけ昔の記憶から遠ざけられて育ってきたんだろう。

「月城、あのさ」
「ん?」

 箸を口元で止めて、月城は首を傾げた。