First Last Love


 こんな形で再会するのなら、二度と会えない方がマシだった。

わたしには、もう自由な恋愛など許されない。

それ以前に、彼にとって、自分の宝とも言えるCanalsを危機に陥れたわたしの事など、もうそんな対象ではないに違いない。

「変わってないね……」

 日記をくまなく読み、ほぼ全ての記憶を取り戻したわたしは、ただただ涙にくれる。

 そして、日記帳の裏表紙の透明カバーの間に挟んである鍵を取り出し、握りしめた。チェーンで繋がれたこの鍵は、日記帳を閉じた状態では見えない。

この鍵が、この日記帳の鍵ではないことも、わたしは思い出していた。




 どのくらいの時間が経ったのだろう。

「月城……」

 わたしの頬が、熱いぬくもりによって擦られる。