First Last Love


 のそりと床から立ち上がった村上くんの表情には、わたしを心底心配している色が、はっきりと浮かんでいる。

両親を亡くしてから、誰かにこういう顔をされたことがあっただろうか。
血の繋がる叔父さんでさえ、こんな顔を見せてはくれなかった。

今まで無自覚だったけれど、相当に緊張のしずめだったらしいわたしは、体から急激に無駄な力が抜けていくのがわかる。リラックスしていく。

「はぁ……。やってらんなくて気が抜けた」

 わたしはワンカップの蓋を開け、一気に飲み干した。小さいパンをひとつ食べただけの胃の()が、一瞬にして燃える。体が温まる。

「おいー。なんて飲み方するんだよ」

「わたし結構強いもーん! 村上くんはわたしの記憶が小学生で止まってるんだよ。もう二十六だよ?」

 わたしは二本目のワンカップに手を伸ばし、蓋を開けた。

「えっ……。まじか。やめろって。ほとんどモノ食ってないんだぞ。それは防寒用――」

「だからやってらんないんだってばー」
「……まあ、それはそうだよな」