First Last Love


月城はかすかに開いた唇をわななかせ、放心している。

 俺は椅子から立ち上がり、長テーブルをまわって月城の隣にきた。そこで月城の目線が近くなるようにしゃがんだ。

「月城は、おそらくそいつのことをめちゃくちゃ信用してる。でなきゃこんな犯罪行為に手を染めたりしない。そういうやつじゃなかった」

「……そんなの。わたしのことなんてわかんないじゃない。……仮に、ホントに一時期クラスメイトだったとしても」

 わかるよ。その一時期、俺はずっと君を見ていたから。

「なあ、月城。記憶って全然ないのか? 全く覚えてないのか?」

「ううん……。両親と妹の事ははっきりとじゃないけど、覚えてる。あとは、事故の前後とか、ところどころ具体的に覚えてる事もある。それはわたしの創作なんかじゃない」

 その中に俺はいなかった。当たり前か。

 でも、それなら、もしかしたら記憶は戻るかもしれない? 

少しは覚えているなら全くの白紙状態よりは、糸口みたいなものはあるように思える。

なのに、その叔父さんとやらは、アルバムさえ見せなかった。