First Last Love


法定代理人、って人が月城の誰に当たるのかはわからないけれど、おそらくそいつが裁判記録を月城に見せたんだろう。

もちろんなんらかの意図を持って、だ。

加害者に仕立てた俺が、月城の苗字を伝えられていないという状況も、たぶんそいつが作り出した。彼女にそう刷り込んだ。

月城の同級生に〝村上健司〟という事故を起こした人間と同姓同名の男がいたことを、きっとそいつは知らなかったに違いない。

だけど俺にとって無実を晴らす最大の証拠がそこにある。本当にラッキーだった。

月城の古い裁判記録の年号と、被告人である村上健司の年齢、そして俺の年齢があっていない。

俺と月城は小学校の同級生であり、同い年だ。被告人の村上健司は俺より二つ年上だった。

年号から計算するに、事故があったのは、おそらく月城が中二の時だ。

 Canalsの副社長の名前が、たまたま自分たち姉妹の両親を殺した〝村上健司〟だった。

それが、記憶を失っている月城を利用するのに好都合だった人物がいたんだろう。

月城にCanalsの情報を流出させるよう指示を出した人物は、事故を起こした人間と俺は別人だと知っていたはずだ。

「月城。俺の年齢は今、二十六だ。その記事の村上健司とは別人だよ。免許証見るか?」