私たちの恋風は、春を告げる




希海ちゃんは大きな瞳に涙をいっぱい溜めて、私の服をぎゅっと掴んでいる。


「ね、希海ちゃん」


そんな希海ちゃんに、私は声をかけた。


「もしよかったら、明日も遊びに来てくれる?」


「……え?」


「私も今日希海ちゃんとお話しできなかったこと、明日いっぱいしたいな」


「うん!希海も、お姉ちゃんといっぱいお話ししたい!」


「うん!だから今日はお薬頑張って飲んで、ちゃんとベッドでお休みするんだよ?そうしたら、あっという間に明日になっちゃうから」


「うん!約束」


希海ちゃんは涙をゴシゴシと拭って、小さな小指を差し出してくる。


そんな希海ちゃんの指に、私も小指をかけた。