私たちの恋風は、春を告げる




「おはよー」

「おはよう」

友達からの挨拶を返しながら、私はカバンから取り出した教科書類いを机の中にしまう。

そんな私の背後から、足音を殺して近づく人影になんて気づくわけもなく…

「おっはよ、咲茉!」

「ひゃあっ!?」

肩に突然手を置かれて、思わず変な声を出してしまった私は、反射的に口を手で覆った。

「ひゃあっ!…って、かっわいー!」